危険物乙4の消火|なぜ第4類の火災に水は使えないのか

性質・火災予防・消火の科目は10問が出題され、合格には6問以上が必要です。中心になるのは、第4類がどんな性質を持ち、火災になったときどう消すかという実務に近い知識です。とくに「油火災に水をかけてはいけない」という原則は、理由まで理解しておくと応用が利きます。この記事では、水が使えない理由を出発点に、適応する消火剤と水溶性物質の特別な扱いまでをたどります。

この記事の信頼性について

執筆乙4マスター編集部(危険物取扱者試験(乙種第4類)の筆記試験に向けた学習設計・演習運用を専門とする編集チーム。法令・物理化学・性質消火の三科目を横断し、受験者が迷わない導線づくりを担当しています。)
確認公式情報確認担当(消防試験研究センター・消防庁の公開情報と照合し、出題傾向とサイト内リンクの整合を確認した担当者です。)
事実確認日2026-06-18
主な参照元

1水をかけると火が広がる理由

第4類はガソリン灯油のような引火性液体で、その火災は油火災に分類されます。油火災に水をかけてはいけないのは、第4類の多くが水より軽く水に溶けないからです。

比重が1より小さい危険物注水すると、燃えている液体が水の上に浮いて広がります。結果として火災の範囲がかえって拡大してしまうため、棒状の水による消火は適しません。

この性質は、貯蔵や漏えい時の判断にもつながります。水に浮いて流れていくことを知っていれば、なぜ堤防のような流出防止設備が必要かも理解できます。

2酸素を断つか、燃焼を抑えるか

第4類の消火では、酸素を断つ窒息消火と燃焼の連鎖を止める抑制作用が柱になります。この二つの効果を持つ消火剤が、油火災に適応します。

消火剤主な効果
液面を覆って窒息させる
二酸化炭素酸素濃度を下げて窒息させる
粉末抑制作用で炎を抑える
霧状の強化液霧で覆い油火災に対応する

同じ強化液でも棒状で放つと第4類には使えず、霧状にして初めて適応する点が問われます。水を霧状にしても油火災には適さないため、強化液との違いも区別しておきます。

3アルコール類は普通の泡が効かない

第4類でも、アルコール類やアセトンのような水溶性の物質は別扱いになります。これらの火災に通常の泡を使うと、泡の水分が溶け込んで消えてしまうからです。

そこで水溶性の物質には、専用の耐アルコール泡(水溶性液体用泡)を使います。水溶性かどうかで適切な泡が変わるという点は、消火の問題で繰り返し問われる定番です。

漏えいが起きたときは、まず火気を遠ざけて引火を防ぐのが初動になります。蒸気が低い場所にたまらないよう換気しながら、流出した液体を広げない処置を取ります。

4よくある質問

第4類の火災になぜ水を使えないのですか?
第4類の多くは水より軽く水に溶けないため、注水すると液体が水に浮いて燃え広がるからです。油火災に棒状の水をかけると、かえって火災の範囲が拡大してしまいます。そのため水ではなく、泡や粉末などで酸素を断つ消火が基本になります。
第4類に適した消火剤は何ですか?
泡・二酸化炭素・粉末・ハロゲン化物、そして霧状にした強化液が適応します。いずれも酸素を断つ窒息作用か、燃焼を抑える抑制作用で火を消すのが共通点です。同じ強化液でも棒状では使えず、霧状にして初めて油火災に対応する点に注意します。
アルコール類の消火が特別なのはなぜですか?
アルコール類やアセトンは水溶性のため、通常の泡をかけると泡が溶けて消えてしまうからです。そのため水溶性の物質には、耐アルコール泡と呼ばれる水溶性液体用の泡を使います。水溶性かどうかで使う泡が変わるという点が、消火の問題でよく問われます。

記事の基本情報

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